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2022 令和4年 明けましておめでとうございます。

明けましておめでとうございます。
東京オリンピックの余韻もさめやらぬうち、もう冬季の北京オリンピックです。
まるで2年もタイムリープしてしまったかのような感覚です。
デルタも大分落ち着いてはきましたが、オミクロンも油断なさらぬよう、くれぐれもお体お気をつけください。


令和4年、今年の寅年にちなんだこの絵は葛飾北斎の「雪中虎図」と言われる浮世絵です。
「嘉永二己酉寅の月 画狂老人卍老人筆 齢九十歳」との署名があります。
寅の月とは、三月のことで、この画を描いたあと4月18日に北斎は満年齢八十八歳、死去したそうです。
北斎は死の直前、「天我をして五年の命を保たしめば、真正の画工となるを得べし」と言ったといわれています。
辞世の句は「ひと魂でゆく気散じや夏の原」です。
絵師の道を追求し続けた北斎が、死んだ後は人魂となって夏の草原をのんびりと飛んでゆこうと詠んでいます。

景色の雪は、笹竹の葉先しか目えないほどの雪が積もり、雪はボタ雪のように見えます。
その雪はなぜか神秘的で、わずかに透けるその感じは人魂か、もしくは無数の夢のようにも感じます。
その雪の降る中、虎の皮膚は縞までもチョコレートの様に溶けるほど熱を帯た体毛に、足裏が裏返るほど踊るような手足に力をみなぎらせ、尾をくねらせ、前へ上へと駆け回り、その顔は自信に満ち、笑みを浮かべています。
景色の冷たいはずの降り積もる雪とは対照的に、この絵には暑い熱が伝わってきます。

虎の姿は、北斎が最後に残した彼自身の魂の自画像とも言われています。
高齢で、しかも死の直前でもなお、こういう境地でいられた北斎の人間力に感嘆します。

干支はそれぞれに意味があるそうです。
2022年の「壬寅(みずのえ・とら)」は「陽気を孕み、春の胎動を助く」、冬が厳しいほど春の芽吹きは生命力に溢れ、華々しく生まれる年になるということらしいです。

令和四年 元旦